歯科の選び方?
「はじめに」のところでも少しお話ししましたが、あなたがこれから受ける治療内容を詳しく知り、その治療により期待できる結果と自分のイメージとがピッタリ一致している事、それが何よりも重要です。そして、最低限あなたが超えなければならない1つめのハードルでもあります。
そのためには何が必要かといいますと、
①患者さんから見ると自分の今現在の歯・口の状態を正しく理解し、そこからどんな状態になりたいかという事をはっきりと担当の歯科医師に言えること。また、それを判断するためのイメージや情報を必要最低限は事前に持っているか、説明を受けて理解していること。
②歯科医師から見ると、患者さんが十分理解できる言葉で今現在の歯・口の状況を説明し、今実際にその医院で受けることの出来る全ての治療方法とそのリスクを示して、患者さんが自ら納得してそれを選択できる環境を作ること。
この両方ができて初めて1つめのハードルを越えることができるのです。
しかし、こうやって文章にするのは簡単ですが、ここであなたの過去を振り返って思い出してみてください。このような流れで治療を始めていった事があったでしょうか?
状態の説明はもちろん多少はあったでしょう。しかし、あなたはそれを正しく理解し、イメージできたでしょうか?また、全ての方法とそのリスクを詳しく説明してくれましたか?そして、結果的に行った治療はあなたが選んだものでしたか?歯科医師がすすめたものを受け入れた感じになりませんでしたか?
ここで具体的な事例を紹介してみましょう。これは私が聞いた実話なのですが、患者は21歳女性で、前歯が少し出っ歯だったことを気にして歯科を受診したそうです。担当歯科医師に相談したところ、「矯正をして前歯を引っ込めるか、削ってかぶせ物にして引っ込めるしかないね。」という説明。彼女は矯正については2~3年の間ワイヤーを入れておかなければいけないことを事前に知っていたため、矯正はしたくないと言ったところ、「では、削る、という方向でいいですね?」と言われたため、それしかないなら…と治療する事に同意したそうです。しかし、「矯正」という言葉に注意を奪われ、「削って引っ込める」という意味をよく理解出来ないまま、彼女は治療を承諾してしまったんです。その後、どうなったと思います?
治療は非常にシンプルかつ大胆とでも言いますか、上の前歯4本を麻酔後、歯の根元から横にスパッと切ってしまったそうです!麻酔が効いていて痛みが無い状態の彼女でしたが、その作業をされている最中はさすがに異変に気がつきました。しかし、もう時はすでに遅し!前歯4本の頭の部分は無くなってしまい、神経は全て取られ、4本の仮歯を入れられてしまったそうです。
彼女は弱気な性格で、治療について多くを歯医者に聞くことも無いまま、自分が思っていた治療とは全く違う、危険な治療を受けてしまったのです!
もちろん、この治療方法自体が悪いという訳ではありません。審美的な歯を望む人に対してならば、歯の方向を変えるために、本人が納得していれば仕方が無いことだとも思います。しかしこの例では、彼女は治療後3日間家で泣き通しだったそうです。
正直申し上げて、こういった考えの食い違いがあるまま治療が進んで行ってしまっては手遅れになりかねません。でも、事実、大なり小なりこのような事は日常的によく起こっているんです。なぜでしょうか?
それは、あなたが当然と思っている事が実はとんでもない間違いだからです!

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